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月を抱く龍、桜島にクマさん。

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さて、企画展まで1週間。

仕付け糸の往復運動を延々とやっては、くるりの「魂のゆくえ」を延々とリピート。
傷だらけになったら灯を照らせよ〜って自分で自分に言ってあげてるくらいには
追いつめられていますが、これ以上ないよー!ってベストタイミングがきたので
針仕事はぜんぶ無視して、週末はほぼ20年ぶりに鹿児島へ。

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滞在中のあれこれはインスタに上げてるのでここには書きませんが、

霧島の夜空にふと現れた、月を抱いたような龍雲。
何かの兆しのようであり、おわりとはじまりを告げるサインのようでもあり、
まったくもって、imaginative!!


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そして、ベストポジションからの桜島!
雲のクマさんがのっしのっしと歩いておられますね、笑。
いやぁ、最高!

ということで、いろんな方々のお力添えをいただき、
来年6月はカバンたちと一緒に鹿児島へ参りますー。
旅芸人みたいに月半分くらいは滞在することになります、笑。

どうぞよろしくね♡鹿児島











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# by cotomono | 2017-09-10 21:10

目を使わない見方のこと

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わたしたちには目がなかったが、いくつもの見方を持っていた。
見る、という行為にはいくつもの分かれ目があった。
道や樹木や川の流れと似ている。しかし明らかに違いがあった。
目を使わない見方のことをわたしたちは「遊び」と呼んでいた。
     
               ー 坂口恭平「現実宿り」より


わたしたちの顔に正面を向いてふたつ付いているもののことを
「表相」と言うそうです。

ひとつ前の日記にも書きましたが「相」には「すがた・みる」の意味があるので、
言い換えると「表相」とは「表(の)すがた(を)みる」となります。

当然、表があれば裏があるわけですが、普段その表相を閉じては開き「見る」ことが
できる世界とは読んで字の如く表の相であり、全体というものがあるとしたならば、
その半分だけを半ば強制的にわたしたちは見ていることになります。

少々ややこしい言い方をしましたが、自分の身体を眺めてみれば一目瞭然です。
がんばって眼球を移動させたところで180度しか見ることができないし、
日常の範囲でいえばもっと限られたごく正面だけでしょう。

「自分の目で見ろ!」などと頭ごなしに汎用されていますが、その一字一句を
眺めてみれば、ずいぶんと乱暴なメッセージであることに気がつきます。
(もちろん、そう言いたくなる気持ちもわかります...笑


さて、再来週から始まる「位相」という名の企画展ですが、
一言で言えば、今回の日記のタイトルに使わせてもらった
「目を使わない見方のこと」がテーマになります。

7月に熊本の橙書店さんで展示会をさせて頂いていたときに偶然、
坂口恭平さんの「現実宿り」を手にしたのですが、初めから終わりまで
よくわからない物語であるにも拘わらず、ところどころ本当のことが書いて
ある(のがわかる)ので確認のために何度も読み返していたのですが...

特に第10章、「見る」ことと「時間」について書かれているページが、
自分が考えていることがそのまま書いてあるように思えてしまい、
これはいったい何なんだ!と気になって仕方ないので、ここは冷静になろうと
テキストにして約3000字を丸っとタイピングした上で、改めて読み直しました。

それで、これはもう直接本人に話すしかないと坂口さんに電話をかけ、
今回の企画展の主旨(位相のこと、素形のこと)を説明した上で「現実宿り」の
第10章を丸ごと展示に使わせて下さいとお願いしたところ、許可します!と
快くご了解を頂くことができましたー。(もちろん、クレジット表記で)

それで坂口さんの「現実宿り」と自分の作品をどうつなげるかというと、
実はこれがいちばんびっくりしたのですが、この本を読む前から今回の企画展の
メインの作品として、カタカナ(言葉)のテキスタイルを使ってカタチの変わる
カバンを作ろうと思っていて、具体的にいうとカバンを開くとマントになるカバン
なんですが、「現実宿り」の第10章にほぼそれをイメージさせることが書いてある
あるわけなんです。なんなんだこれはー!!!と、本当にビックリです。
ちなみに、松尾さんも面白がってくれて、このページを読んだイメージを
グラフックで表現してもらうことになりました!それも楽しみだなー。


まだそのカバンはカタチにしていませんが、
雨が上がるのを待つ「雨宿り」ならぬ、
現実が明けるのを待つ、現実宿りのカバンとして、
近々、この表相の世界に現れることでしょう。
























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# by cotomono | 2017-09-03 18:42

企画展のお知らせ

企画展のお知らせ_a0072072_1712712.jpg

9月と10月にグラフィックデザイナーの松尾浩一さんと「ことまつ」名義で
企画展を開催いたします。詳しくはコチラをご参照ください。

タイトルは「位相」

位相の【相】とは(すがた・みる)の意味があり、心のなかにその形容を
思い浮かべることを「想像」というそうです。

ちなみに(すがた)は、ふつうに漢字を当てるとしたら(姿)となるのでしょうが、
自分は、(素形)をイメージしています。

目には見えないけれど、ある、もともとの(すがた=素のカタチ:形霊)

まぁ、といってもそんなに凝ったことはできないので、松尾さんとふたり、
気張らず気楽にやりたいと思っています、、、笑。


























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# by cotomono | 2017-08-02 17:29 | Exhibition

水_a0072072_201152.jpg

さて、熊本は橙書店さんの展示会、無事に終えることができました。
猛暑のなか、お越し頂いた皆様、お力添え頂いた方々に感謝です。
展示会中のあれこれはコチラに上げてますので、ご興味のある方はどうぞ。


あぁ、しかし、展示会を終えたばかりだというのに、
熊本への想いは募るばかり、、、笑。

熊本で展示会をさせていただくようになった5年前から、
いつか熊本で暮らしたいとほのかに想いを抱くようになったのですが、
昨年、江津湖という、とんでもなく美しい水場の存在を知ってからというもの、
その想いは加速の一途を辿っています。。。

大げさかもしれませんが、この水の近くならば、
この先、どう人生が転んだとしても、生きていけると思うほど。


いづれにせよ、いまいる場所から離れる時期にきているようです。

水が呼んでくれると、いいな。




































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# by cotomono | 2017-08-01 02:24

the priceless key

the priceless key_a0072072_22445464.jpg

翻訳の仕事もされてあるネイティブの先生に、去年書いた「星と素数」の物語を
翻訳していただいた。半年間、先生に英会話の個人レッスンを受けるも、
元来が習い下手な性格もあって、先生に習っていることに甘んじて自ら学ぶことを
さぼっている現状があり、このままダラダラと続けるのは良くないと判断し、
レッスンは一旦止めることに。。。

しかしながら、最後に先生に物語の翻訳のお願いしたのは大正解だった!
当初、自分で翻訳機能を使ってやってみるかと思っていたけど、無謀も無謀...
この物語はベルリンの只松さんと一緒に書いたものだけど、こうやって、
ネイティブな第三者を通すことで、また新しい物語に生まれ変わった感じさえする。

いま、先生に翻訳してもらった英文をひとつひとつ確認しているのだけど、
物語の重要なキーとなる「星使い」は、当初「star user」と直訳されていて、
これだとちょっと意味合いが違うので「stargazer」に変えてもらった。

stargazerは、占星家や天文学者というちょっとアカデミックな意味になるけど、
もともと「星を見る人」という意味からきているそうで、転じて、夢想家...
「夢をみる人」の意味もある。これは自分がイメージする「星使い」にピッタリ!


そして、最後の一文を先生はこんな風に翻訳してくれた。

日本語では「開かれる時を待つ」という受け身の状態だけど、
それを「世界を開くことができる」という能動的に変化させているとことが
英語世界ならでは。どちらがいいとかではなく、日本語思考と英語思考では
こうも違うから本当に面白い。

そして、the priceless key...

先生、ステキな言葉をありがとうございました。


それは星の温もりであり、素数の温もりであり、
開かれる時を持つ扉の大切な鍵である。

It is warmth of a star, it is the warmth of prime numbers
and this is the priceless key we have that can open worlds.
























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# by cotomono | 2017-06-25 23:33