すこし悪寒がするのでどうしようか迷ったけど、
やはり気になって、着物屋さんの帰りに九電前の
テント村へ。
もう、テントは撤収されていたけど、みんなでキャンドルを持ち寄り
時折吹く強い風のなか、小さなあかりを灯していた。
その、あかりの向こう側には九電の社員の人たちが玄関ロビーにでて
こちらの様子をじっとみている。
そんな彼らと、手元に灯るあかりを繰り返し、じっとみつめているうちに、
ふと、思った。
“ほんとうは、なにも違わないのにな...”
彼らだって、
小さなあかりを心に灯し、日々を懸命に生きている。
ほんとうは思っている。
プルサーマルはおかしいと、
ほんとうはいやだ。
生命を脅かす核エネルギーを使うなんて、
ほんとうはしたくない。
目先の利益のために未来を売り払うようなことを、
ほんとうは、
ほんとうは、
ほんとうは、
ぼくも、あなたとおなじなのです。
わたしには、そんなふうに映った。
だから、わたしはあなたのほんとうを信じる。
ほんとうのあなたを、わたしは知っている。
あなたが見失ってしまっても、わたしは見失わない。
あなたのなかに存在している、ほんとうを。
小さなあかりを灯す、ほんとうのあなたを。
あなたには、ほんとうがある。