人気ブログランキング | 話題のタグを見る

餃子ラプソディー

餃子ラプソディー_a0072072_1916887.jpg

先週からネットもテレビも新聞も
ギョーザギョーザの餃子ラプソディーが流れつづけている。

被害に遭われた方には本当にお気の毒だと思うけど...
当初、安易な中国バッシングともみえる行き過ぎた(はき違えた)報道や
事件性ばかりがクローズアップされていて、
本当に語られるべきことは、
何も語られないままな気がしてならない。


しかしながらただひとつ、この事件のおかげで知ったことがある。

てっきり機械で作られていると思っていた餃子は、徹底した衛生管理の下
200人という労働者がひとつひとつ手作業で包んでいたということ。

普段から冷凍食品を買うことはないので冷凍餃子の値段を知らないけど、
1パック300円として...そこから小売りやら卸元やら商社やらいろいろ
マージンがかかり、巨大コンテナに詰まれいっぱい石油を食いながら海を
わたってくることを考えると...

餃子を包んでいる人たちの賃金は、
いったいいかほどのものなんだろうか?
餃子を食べているわたしたちは、
そんなことも知らないでいる。


知らないで食べているのだ。
知らないのに、知ったふうでいる。

そりゃ、毒入り餃子は怖いよ。
でも、ほんとに怖いのは誰だろう?


そんなことを思いチキンカレーを食べていたら
森達也の「いのちの食べかた」が読みたくなって久しぶりに読み返してみた。
そこには、テレビも新聞も語ろうとはしない「いのち」のことが、
ルビ付きの大きな字で、ときどき図解付きで語られている。
そういえば、もうすぐこんな映画もあるみたい。



ところで、冷凍食品をほとんど買わなくなったのにはわけがある。
健康を考えてとかじゃなく、ただ単にスーパーに行かなくなったのだ。
うちのマンションの目の前には「諸岡商店」という野菜果物をはじめ
食品全般を扱っている個人商店がある。肉屋や魚屋も50m範囲にある。
夕方5時に終わる仕事につくことができたので、日々の買い物は
夕方6時閉店の諸岡さんで全てまかなうのだ。

スーパーとちがっていろいろはないぶん、ご近所の顔のみえるものを置いている。
ポイントカードなんてないかわりに、おいちゃんに「これおいしい?」ってきけば
「おいしいよっ」て教えてくれて、おまけもしてくれる。

パンも卵も決まった曜日にしか入らない。
だからときどき買えなかったりするけど、買えないなら、買わないまでだ。

ないことを知れば、あることの意味がわかる。


すくなくとも、
諸岡商店から餃子ラプソディーが流れることはないだろう。
by cotomono | 2008-02-05 20:38
<< 思いがけない つくっていると... >>