5月8日 昨日は夕方から「イルコモンズアカデミー」@テトラへ。 ********************************************** 講師:小田マサノリ(イルコモンズ) http://illcomm.exblog.jp/ ◎ギフトアカデミー形式 ◎参加自由/参加無料 ◎受講資格不問(女こども優先) 中央大学の人気講義「文化人類学解放講座」の番外編として、 東京大学で連続五回行われた「イルコモンズ・アカデミー」が、 「トラベリング・アカデミー」として、現在、日本各地を巡回中。 元・現代美術家で、民族誌家のイルコモンズがセレクトしたヴィデオや ドキュメント映像をみながら、いま、ぼくらにできそうなことや、 できるかもしれないことを考えてみます。 ********************************************** イルコモンズについて何の知識もないまま、 「給食がでるよ」のコトバつられひょっこり顔をだした程度だったけど...。 世界中のアクティビストたちが知恵と工夫と、 そしてユーモアをもって連帯し、 窒息寸前の世界に小さくも大きな風穴をあけようと行動する姿を前に じわじわと熱いものがこみあげてきた。 そうだ... この感覚は前にも経験がある。 + 28歳のちょうどいま頃。 私はひとり「やるべきこと」について、ただただ考えていた。 まわりに相談できる人はいなかったし、 それまでの自分に答えを見つけることもできないでいた。 そんな時、一冊の本と出会った。 『一銭五厘の旗』 花森安冶 真暗闇の大海原で、ぽつんとひとつ、 灯台の光を見た気がした。 何度も何度も、繰り返し読んだ。 はじめはショックだった。 とても、とても。 そして、心の奥ふかいところで感じた。 変わらなければ、と。 「やるべきこと」がわからずにいた私にヒントを与えてくれ、 「やるべきこと」があることを教え、いまに導いてくれた。 大切な、大切な一冊。 『暮らしの手帖』と花森安冶については、 思うところがありすぎて上手く言葉にできないけど。 『一銭五厘の旗』のリーディングイベントなどもしているという イルコモンズの小田さんにこうして出会えたことは、 あの頃の自分と再会できたような、 ずっとつながっていたような、 そんな確かなものを思いださせてくれた。 小田さんは言う。 ボクには希望があります。 どんな世界になろうとも、今日もどこかで、 自らの意志で行動するアクティビストたちがいることを ボクは知っているから。 ********************************************** ********************************************** 『見よ 僕ら一銭五厘の旗』 (最終部のみ抜粋) 〜〜〜 さて ぼくらは もう一度 倉庫や 物置きや 机の引出しの隅から おしまげられたり ねじれたりして錆びついている 「民主々義」を探しだしてきて 錆びをおとし 部品を集めしっかり 組みたてる 民主々義の「民」は 庶民の民だ ぼくらの暮しを なによりも第一にする ということだ ぼくらの暮しと 企業の利益とが ぶつかったら 企業を倒す ということだ ぼくらの暮しと 政府の考え方が ぶつかったら 政府を倒す ということだ それが ほんとうの「民主々義」だ 政府が 本当であろうとなかろうと 今度また ぼくらが うじゃじゃけて 見ているだけだったら 七十年代も また「幻覚の時代」になってしまう そうなったら 今度はもう おしまいだ 今度は どんなことがあっても ぼくらは言う 困まることを はっきり言う 人間が 集まって暮すための ぎりぎりの限界というものがある ぼくらは 最近それを越えてしまった それは テレビができた頃からか 新幹線が できた頃からか 電車をやめて 歩道橋をつけた頃からか とにかく 限界をこえてしまった ひとまず その限界まで戻ろう 戻らなければ 人間全体がおしまいだ 企業よ そんなにゼニをもうけて どうしようというのだ なんのために 生きているのだ 今度こそ ぼくらは言う 困まることを 困まるとはっきり言う 葉書だ 七円だ ぼくらの代りは 一銭五厘のハガキで 来るのだそうだ よろしい 一銭五厘が今は七円だ 七円のハガキに 困まることをはっきり書いて出す 何通でも じぶんの言葉で はっきり書く お仕着せの言葉を 口うつしにくり返して ゾロゾロ歩くのは もうけっこう ぼくらは 下手でも まずい字でも じぶんの言葉で 困まります やめて下さい とはっきり書く 七円のハガキに 何通でも書く ぽくらは ぼくらの旗を立てる ぼくらの旗は 借りてきた旗ではない ぼくらの旗のいろは 赤ではない 黒ではない もちろん 白ではない 黄でも緑でも青でもない ぼくらの旗は こじき旗だ ぼろ布端布(はぎれ)をつなぎ合せた 暮しの旗だ ぼくらは 家ごとに その旗を 物干し 台や屋根に立てる 見よ 世界ではじめての ぼくら庶民の旗だ ぼくら こんどは後へひかない (暮らしの手帖8号・第2世紀 昭和45年10月)
by cotomono
| 2007-05-08 15:24
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