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ミシンの日

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きょうは、年に一回の無料ミシン点検の日。
暑い最中、Q州ミシンセンターのエンジニアTさんがお宅訪問してくれた。

聞けばTさん。うちのすぐ近所、
山笠でいえば中州流れの辺りに住んでるそうで、
しばし、山笠ネタで盛り上がる。
同じ町に住んでるというだけで、ぐっと親近感がわいてくるから不思議。
やっぱり、博多に越してきて良かった。

それから、慣れた手つきで道具箱を広げ、
テキパキとメンテナンスしてくれた。



ちょっと自慢だけど、わたしのミシンはすこぶるいいミシンなのだ。

singerが小学校の教材用に開発したミシンで、とても使いやすい。
市場には出回っていないので、当然、お値段もいい。


3年前にミシンを買おうと決めたとき、本当は違うミシンを選んでいた。
手作り心をくすぐる、かわいいカタログに惹かれて選んだミシン。
もちろん、使ってみないと分からないので、
当時のエンジニアEさんが、クリスマスの日にうちまで試験運転に来てくれた。


そして、実際使ってみて驚いた。
とても、使いづらいことに。


Eさん曰く、お手頃価格のミシンは、それなりのモノでしかないということ。
メカの命であるパーツやエンジンのほとんどが安いプラスチックでできているので
糸送りが上手くいかなかったり、すぐ針が固まったりするのだ。
あげくの果てに、内部でパーツが割れて故障品送りとなる。

そして、メーカー側は壊れるのを承知で海外で安いミシンを大量に作り、
お手頃価格で売りさばいた後は、パーツ交換で利益を得てるという事実を教えてくれた。

そんなクレームの歴史をまとめた資料をみせてくれて
「選ぶのはお客様です」
と、もう一台のミシンを差し出された。

それが、今、わたしの手となってくれているミシンだ。


もちろん、決断するのに迷いはあった。
想定価格の3倍を超えていたし、
使えないミシンをもってきた後に、
高いものを売りつけようとしてるのかとも思った。

でも、エンジニアE さんのミシンを愛する気持ちや
いいものをキチンと提供したい、という心根がちゃんと伝わってきた。
だから、この人を信じて買うことを決めた。

そして何より、このミシンが、
安かろう悪かろうの安易な世界に心底嫌気がさしていた、
わたしの心を捉えたのだ。


本物を使うのだから、しっかりやろう。
その時の気持ちが、わたしの今につながっている。




さて、エンジニアTさんに、
厚い布を重ね縫いをした時に起こるトラブルについて相談したところ、
針と糸、そして縫い目を変えてやれば問題ない、と頼もしいお答え。
そして、サンプルにと3ミリはあろうレザーをすいすい縫ってみせてくれた。


「このミシンは、本当にいいミシンです。
          何より、強い心臓を持っていますから。           
                きちんと手入れをして、一生使っていきましょう。」

そう言って、名刺を渡してくれたTさん。





きょうは、ミシンの日。


エンジニアさんに、
ミシンに、


ありがとうの日。
 
by cotomono | 2006-08-12 16:18
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