一昨日で熊本はorangeさんでの展示会も無事終わり、ひとまずほっと一息。 熊本は12日間させてもらい、うち3日間しか入れなかったのだけど、 回を重ねるごとに深まる感じがあって、ほんとうに幸せな時間であった。 もちろん、ただ遊びに行っているわけではないので、数字を考えずして やれるわけではなく... 実は、最終日の前日までほとんど動きがない、 これまでになく少々困った状況をまえに、でも、今回もいい時間を過ごさせて もらったからと、観念を決め込んでいたところ。。。 やっぱり、ものづくりの神様に守られているのかも☆と、勘違いしてしまうほど、 最後の最後で、1年越しでお買い求め下さった方や、去年もお買い上げ下さった方 などなど、お客様が次から次へと現れて下さり、なんとか目標としていたところに 届くことができたのであった。。。 もうこれはミラクルとしかいいようがないです。 この場を借りて改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございます。 そして、ほんとにほんとに、最後の最後で大きなミラクルが... うれしいことに、結果的に搬出の時間が1時間押してしまい、 バタバタと片付けをしていると、下に渡辺京二さんのお姿が!!! 初日に初めてお姿を拝見し、その存在を知って以来、 (といってもまだ12日しか経ってないけど...(笑) 渡辺さんのことを、というか、渡辺さんたちが生きて来られた時代のことを もっとちゃんと知らなければいけないという思いが「ぐぐぐ」と溢れてきていて... 実は、最終日の2日前にもorangeに珈琲を呑みに来られていた渡辺さんと、 ほんの少しだけ、お話をさせて頂くことができたのだけど、その時、心の内では、 いますぐ隣の本屋に駆け込み『万象の訪れ』を手に「わたなべさん、ここにサイン お願いします!」と、言いたい気持ちでいっぱいだったけど... まさかそんな品のないことできないよね〜、、、と、素知らぬ顔でぐっと 我慢をしていたのであった。。。 そんな前振りがあってのこの展開に、完全に舞い上がってしまったわたくし(笑 田尻さんに「サ、サインお願いしても失礼じゃないですかね?」とお伺いを立てて もらい、今度は本当に橙書店で買ったばかりの著書を手に渡辺さんのもとへ向かうと 「こんな高い本を買ってくださって、ありがとう。」と、83歳とは思えない、 驚くほど澄んだ瞳でみつめられ、どぎまぎしてしまった。。。 字が下手だからね...とおっしゃられていたけど、一字一字、丁寧に書いて下さり、 「かばんは売れましたか?」と思いがけず、声をかけていただいたので、 「はい、最後の最後でミラクルが起きました!」と素直に返事をすると 「そう、それはよかったですね。」とチャーミングな笑顔を向けてくだった。 そして別れ際、あたらめてご挨拶にうかがったとき、 自分でも驚くほど、深い深いお辞儀をしている自分がいて、 あぁ、こんな風に誰かに頭を垂れること、最近なかったなと思うと 感慨深いものがあった。 もちろん渡辺さんも、席を立たれ帽子をとり、 丁寧にお辞儀を返して下さった。 そんなこんなで無事搬出作業を終えて、レモングラスのハーブティで 一息ついていると、「いまむらさん、運がいいね〜」とにやにや顔の田尻さん。 渡辺さん、ゆってもそんなに来られる方じゃないからね〜、とのこと。 たしかに、orangeさんに入ってた3日間、すべててお会いできてるのだから これは運がいいの何ものでもない。。。 そして、「がんばったから、ご褒美だね☆」とうれしいひとことも。 本当に本当に、うれしいうれしいご褒美であった。 : 渡辺さんとの出会いをはじめ、今回のorange(橙書店)さんでのひとときは、 これまで以上に、深いものを感じた。 田尻さんたちとも何度となく話していたのだけど。 私たちの祖父母世代、戦前生まれ世代の方たちの話を、 ちゃんと聞いておかなければという思いが、年々高まっている。 それはいま現在、ふたたび「戦争」ができる体制が着々と整えらていることや、 思想や言論が制限される「危機」がもうすぐそこまできていること。 そして、生きて(食べて)いくために、国の政策であったにせよ、 海を渡った多くの先人たちと同様に、生き延びるために、子どもを守るために、 放射能で汚染し続ける土地(故郷)を棄て(ざるをえなく)、少なくない人々が 海外移住をしていること。 海外でなくても、もうあちらこちらで移動は始まっている。 生きるために、身ひとつで、決断をしなければならないときがくるかもしれないし、 私たちの祖父母たちは、事実、そうしてきたのだから。 まぁ、そんなに恐れることではないのかもしれない。 ただ、動くことを恐れてはいけないとだけは思う。 いつだって変化のなかに、あるのだ。 いつだって変わらない、何かを携えて。 : 迷いや不安が全然ないわけではないけど、 歳を重ねるごとに、自分がくっきりしていく感じがする。 そして「これから」を思うとき、同じくらい「これまで」を思う。 それは、ただ「わたし」のこれまででなく、 この世界の、これまでを。 わたし、知りたいことが、まだまだ沢山あるよー。
by cotomono
| 2013-11-06 21:57
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