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三月はサル。

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年が明けて、1月2月は例年より時間がゆっくり流れていく感じがしてたけど、
3月に入って急に、日めくりカレンダーを一気に破り取るみたいに日々が
あっという間に過ぎ去っていく。ここのとこ気温が上がって春めいてきたのも
あるだろうけど、もうちょっと冬の余韻が欲しい今日この頃。

先週は打ち合わせとCAMKでの奈良美智を観に、熊本へ。
奈良さんを観るのは2006年の青森弘前以来なので7年ぶり。
いやぁ、、、本当にすばらしかった。ブロンズも良かったけど、
やっぱりアクリルキャンバスの女の子たちにはぐっと見入ってしまった。
深い深いところにあるのに湖面のように澄んでて、触れることのできない
永遠のようなものを感じた。4月14日までなので、お近くの人はぜひ。

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さてフィリピンから持ち帰ってきた宿題をカタチにするべく、試行錯誤開始。
作るのものは、もちろんカバン。

フィリピンのマーケットで仕入れた生地を使い、Likhaでのワークショップで
出て来たデザイン画
を元に、シルクスクリーンと刺繍で仕上げていきます。
(と、言葉にする分には簡単だけど、これがイメージどおりにはいかないわけで..

まず、ダンダンがワークショップでマニラペーパーに描いた例の絵をベースに、
トレペの上からマジックでフォルムだけを書き出していきます。

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でも、それだけだと質感が表現できないので、またその上からトレペをかけ、
今度は極細のペンで線の集合体として形を描きます。こうすることで、
実際に生地に刺繍を施していくときに、違和感なくできるかなと。

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それを50%に縮小し、A4のフィルム(版)に配置したのがこちら。
だいぶ、パターン(模様)としてみえてきました。

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これを、いつもの如くメッシュさんでシルクスクリーンで刷り入れてもらいます。

もちろんこれを全部刺繍するとなると、コストも手間もかかって大変なので、
シルクスクリーンの模様をベースに、部分的に刺繍を施すつもりです。

が...ここで問題発覚。

今回、ジュートという太糸で織られた生地を使うのですが、表面が平でなく
ボコボコとしているのでうまく質感が表現できず、せっかくのディテイルも
潰れてしまうことに...

それで、思い切って作戦を変更。

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発砲シルクという、熱を加えることでモコっと浮き出てくる特殊なインクを使い、
シルクの模様自体を立体的にすることに。

これは、専用のオーブンで生地を熱しているところ。
まるで理科の実験のようで、どきどき。


が...またしても問題発覚。

これまで、一度も上手く行かなかった事はないそうですが、
生地の問題か、シルク版の問題か、熱の問題か、分かりませんが
上手く発砲してくれない。。。


メッシュの平川さん曰く、問題検証のための時間が必要とのことで、
生地は貴重だけど一部はサンプルとして使ってもらうことに。
シルク版も発砲用に作り直す方がベターなので、ここは多少コストが出ても
必要経費と思って惜しまないことに。

出来たものが良くなければ、自信を持って世に出せないわけで、
ストーリーだけで売るわけにはいかないし、そういうのはフェアじゃないもの。
やはりものでやる以上は、ものがすべてやもん。


というわけで、なかなか前途多難ですがおもしろくなって参りましたー。
三月はサル。なにかと時間が欲しい三月です。
by cotomono | 2013-03-10 16:37
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