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何かをつくる行為は仲間を見つけることにつながる

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日が暮れた頃、時を見計らったかのように小包が届く。
展示会の最終日、飛行機の時間がぎりぎりで残念ながら会えなかった
satomiさんからの、小さなメリークリスマス。

思いがけず、びっくり!!
お心遣い、本当にありがとうございます。
またきっとお目にかかれますように...



さて、今日も朝からくるりを聞きながら針仕事。
くるりといえば、この吐き出し日記をたまたま読まれたという
東京のくるりファンの方が、カバンをひとつ買ってくださった...
おそるべし、くるり。そして、さんきゅう、くるり!!


それはさておき、
今年最後となる制作は、神楽坂の美容師Nさんのかばん。
いつも柔和な笑顔のNさんはとても多才な方で、
お仲間と一緒に音楽(和楽)をされたり、絵を描かれたり、

最近は「書」を始められたそうで、半紙バサミと筆がきちんと収まる
内ポケットを付けた、その名も「書道かばん」をオーダー下さった。

素材には、撥水加工の黒帆布に絣をイメージしたシルクを黒でプリントしたものに
内布には構造を強くするためにテント生地を張って、硯とか重いものを入れても、
ぐにゃ〜とならないように。。。しっかりとね。

「書」と言えば、東京の展示会では「むらさき」をお買い上げ下さった
若き書道家Sさんのほかに、楽書梨世さんという方もふらっといらして、
短い時間であったけど古代文字のお話など興味深く楽しいお話をして下さったな...
というわけで、不思議と「書」つながりの今回の神楽坂であった。



閑話休題。


昨日の忘年会でも皆で話していたことだけど、
わたし(たち)のまわりには、好きな事だけでは充分に食べられないけど、
いわゆる兼業(二毛作ともいう)しながら好きなことを具体的に続けて
いこうとしている人がたくさんいて、いつのまにか仲良くなってたりする。

群れるというのとは違うけれど、それぞれが、自分の方法を持ち寄ることで
何かのヒントになったり、これだったら自分もやれるんじゃなかろうかとか
ちょっと希望をもてたりする。
そもそも、つくる(表現)行為はひとりでは成立しないのだから。

だから人とつながろうとしてやっているわけじゃなくても、結果的に、つながる。
そして、つながるってやっぱり「うれしいこと」だから、また何かをやりたくなる。
そういう「きもち」という信頼の輪のなかに居ることで、安心して自分たちの経済を
回していけるといいなぁ...と思う。


そんなことを、針仕事をしながら考えていたら
映画監督の富田克也さんのインタビュー記事が目に留まったので、
例のごとく、また一部転載させていただきます。


::


仕事というのを終身雇用みたいなものとして考えたことで、
それが安定という名のもとに人を縛ってきた。
終身雇用なんていう幻想が消えた現代にあって、皆が不安になっている。
縛られたら縛られたできつい、なくなったらなくなったで不安というわけです。

そもそも僕らは大きな資本からは相手にされない。
しかし、だからと言って、僕らがやっていることは意味がないのか?

僕らがやっていることはそもそも「仲間を見つける」というプロセス
そのものだと思っています。


諦めないで上映会をやり続けたら、「おもしろい」と言う人が現れ、
またプロの俳優さんが「出たい」と言ってくれる、力を貸してくれる人々が
沢山集まってきてくれました。

要するに映画を作り、上映する行為そのものが、
仲間を見つける行為そのものなわけです。


「こういうやり方が正解だ」
と思われている範囲から視野を広げたとき見えてきたのは、
世界には自分たちと同じことをやっている人もいて、
自分の試みがきちんと評価される場所もあるということです。

僕は映画制作集団「空族」の一員として映画を撮っていますが、
空族は“正解”が嫌いです。
社会というのは得てして“正解らしきもの”を振りかざして詰めよってくる。

それは目先だけを見つめていたら中々視野に入ってこない。
仲間を見つけていくことは大事だと思います。

ただ、若い世代に「仲間を見つけろ」と言うのは、
「夢をもて」というくらい、難しいことなのかもしれない。

だからもし映画を撮りたいと思う人がいるなら、
まずは自分ひとりでやってみることだって今はできます。

そこには必ず被写体がいるはずです。
仲間を見つけてからじゃないと映画を作れないじゃなくて、
映画を作る行為そのものを、仲間を見つける行為だと思って
始めればいいんじゃないかと思います。

これは映画に限った話ではないと思います。
何かをつくる行為は仲間を見つけることにつながることだし、
それが物事をつくる原動力になっていくのではないか。
そんなふうに思っています。





by cotomono | 2011-12-26 00:13
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