ひとり世界旅行と横山大観

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お盆休みの昨日と今日、ひとり会社でお仕事。
目下抱えるのは、9月末納品予定の100Pもの。

ドイツ・スイス・フランス・イタリア・スペイン・北欧
トルコ・エジプト・カナダ・アメリカ西海岸・オーストラリア・・・etc

もちろん、取材などできる訳もなく、ガイドブックとネットでネタを拾いながら
ただひたすらコピーを書いていく。

こういうのをリライトというのだけど、
正直、他人様の言葉を頂戴しながら「書く」という作業はやはり虚しい。

でも、悠長にそんなことも言ってられない状況なので
いっそのこと、世界旅行でもした気分でどっぷりハマってみると、
それはそれでだんだんおもしろくなってきた。


「旅は人生を豊かにする」とはよく言ったものだ。

机上で書いているだけなのに、その先に広がる世界を
自分の目で確かめてみたいと思うのだから。


写真は、スペインはラマンチャ地方
青い空に白い風車、荒涼の大地に広がる「ドン・キホーテ」の物語。
主人公ドン・キホーテが巨人ブリアレオに見間違えた風車は
粉挽きとして活躍していたそうだ。


いつか、この風景のなかに立ってみたいなぁ。




さて、机上の世界旅行を早めに切り上げ、
日本の美を堪能するべく、「横山大観展」へ。
http://www.fukuoka-art-museum.jp/jb/html/jb01/2006/taikan/taikan1.html

『生々流転』、『霊峰飛鶴』、『夜桜』など
説明不要の大作がずらり並ぶなか、目に留まった一枚の絵。

昭和17年に描かれたという『正気放光』

霊峰富士を題材にした作品は数多くみられのだが、
この『正気放光』だけは、どこか趣きが違う。

上手くいえないが、怒りと悲しみのようなものを感じた。

調べてみると、大観が広島・江田島の海軍兵学校に贈ったものだそうで、
荒波の上にそびえ立つ富士山が描かれている。
富士=日本を不沈戦艦になぞらえた絵だ。
海軍の士官候補生はこの絵に一礼し、戦地に向かったという。

戦時下においても、富士山や日輪ばかり描き、
いわゆる「戦争画」は手がけなかったといわれる大観。

御国の為に、尊い命を捧げようとする若者たちへ向け
志気高揚と励ましを込めて描かれたものかもしれないが、
その根底にあったのは、戦争への怒りと悲しみだったのではないだろうか。


今日は61回目の終戦記念日。

61年前の今日もまた、
暑く、長い一日だったに違いない。
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# by cotomono | 2006-08-15 20:30 | Comments(2)

ミシンの日

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きょうは、年に一回の無料ミシン点検の日。
暑い最中、Q州ミシンセンターのエンジニアTさんがお宅訪問してくれた。

聞けばTさん。うちのすぐ近所、
山笠でいえば中州流れの辺りに住んでるそうで、
しばし、山笠ネタで盛り上がる。
同じ町に住んでるというだけで、ぐっと親近感がわいてくるから不思議。
やっぱり、博多に越してきて良かった。

それから、慣れた手つきで道具箱を広げ、
テキパキとメンテナンスしてくれた。



ちょっと自慢だけど、わたしのミシンはすこぶるいいミシンなのだ。

singerが小学校の教材用に開発したミシンで、とても使いやすい。
市場には出回っていないので、当然、お値段もいい。


3年前にミシンを買おうと決めたとき、本当は違うミシンを選んでいた。
手作り心をくすぐる、かわいいカタログに惹かれて選んだミシン。
もちろん、使ってみないと分からないので、
当時のエンジニアEさんが、クリスマスの日にうちまで試験運転に来てくれた。


そして、実際使ってみて驚いた。
とても、使いづらいことに。


Eさん曰く、お手頃価格のミシンは、それなりのモノでしかないということ。
メカの命であるパーツやエンジンのほとんどが安いプラスチックでできているので
糸送りが上手くいかなかったり、すぐ針が固まったりするのだ。
あげくの果てに、内部でパーツが割れて故障品送りとなる。

そして、メーカー側は壊れるのを承知で海外で安いミシンを大量に作り、
お手頃価格で売りさばいた後は、パーツ交換で利益を得てるという事実を教えてくれた。

そんなクレームの歴史をまとめた資料をみせてくれて
「選ぶのはお客様です」
と、もう一台のミシンを差し出された。

それが、今、わたしの手となってくれているミシンだ。


もちろん、決断するのに迷いはあった。
想定価格の3倍を超えていたし、
使えないミシンをもってきた後に、
高いものを売りつけようとしてるのかとも思った。

でも、エンジニアE さんのミシンを愛する気持ちや
いいものをキチンと提供したい、という心根がちゃんと伝わってきた。
だから、この人を信じて買うことを決めた。

そして何より、このミシンが、
安かろう悪かろうの安易な世界に心底嫌気がさしていた、
わたしの心を捉えたのだ。


本物を使うのだから、しっかりやろう。
その時の気持ちが、わたしの今につながっている。




さて、エンジニアTさんに、
厚い布を重ね縫いをした時に起こるトラブルについて相談したところ、
針と糸、そして縫い目を変えてやれば問題ない、と頼もしいお答え。
そして、サンプルにと3ミリはあろうレザーをすいすい縫ってみせてくれた。


「このミシンは、本当にいいミシンです。
          何より、強い心臓を持っていますから。           
                きちんと手入れをして、一生使っていきましょう。」

そう言って、名刺を渡してくれたTさん。





きょうは、ミシンの日。


エンジニアさんに、
ミシンに、


ありがとうの日。
 
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# by cotomono | 2006-08-12 16:18 | Comments(2)

浴衣美人

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麗しき、夏の午後。
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# by cotomono | 2006-08-07 23:21 | Comments(0)

MOLESKINE cover

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新作です。

MOLESKINEの手帖カバーなので、シンプルに
“MOLESKINE cover”と命名。


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素材は、オーダー主であるSのリクエストに応え
以前作った、uguisu bagと同じものを使用。



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シンプルの極みともいえるMOLESKINEのデザイン。


Less is more・・・・そんな言葉がぴったりだ。


そして、考えれば考えるほど、
その存在感にどう向かっていいやら
わからなくなった。



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「cover など必要ない」

そう、云われている気がしてならなかった。


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だから、Sのことを思った。



喜んでくれますように。

小さな、力になれますように。
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# by cotomono | 2006-08-06 10:55 | Cotomono Works | Comments(7)

下ごしらえ

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大切な友、Sの手帖カバーを作っている。

フリーカメラマンとして、男前に仕事をしている彼女の手帖は
黒のMOLESKINE


生成りの頁をめくると、
鉛筆で記された下ごしらえの跡。


一生懸命な、彼女の気持ちがみえる。




だから、わたしも下ごしらえ。


喜んでくれますように。


小さな、力になれますように。
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# by cotomono | 2006-07-30 13:44 | Cotomono Works | Comments(2)

海の日

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三連休最後の海の日。
バッグの納品を兼ねて、gramへ。

gramは、うちから大通りをはさんだ
昔ながらの商店が立ち並ぶエリアにある美容室。

古い2階建ての倉庫をアジトっぽく改装してあり
ときどき、ライブやアートイベントが行われている
かなりオープンなスペース。

この日は、5組のアーティストによる
アコーステックライブが夕方からスタート。


楽しみにしていた、lemさん
http://www1.bbiq.jp/lem.web/index.html
エレクトロニカルなサウンドのなかに、
アコーステックがゆるやかにとけあう、心地よい音楽。
そして、ayuさんのフルートが波うつようにシンクロしていく。
今夜みたいな、夏の夜に聴きたい一枚。


それから、the guitar plus me
http://www.bounce.com/interview/article.php/2101/
まったく、その存在を知らなかったのだけど、
その声を聴いただけで、世界に惹き込まれた。
音楽レビュー的なことを上手く書けない自分がもどかしいが、
理屈ぬきに伝わってくる。
きっと、天性の人なんだろう。





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さて、写真はgramの若きスタイリスト、Jokeくん。
バッグの感触は、この笑顔から伝わってくるでしょうか。。。



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Jokeくんは、gramのオーナーであるWさんに惹かれ、
その気持ちのままに、遠く東の方からやってきた。

吹き抜けのシャンプー台で髪を洗ってもらっていながら、
はじめてその話を聞いたとき、

あぁ、気持ちの健やかな人だなと思った。
だから、オーダーをいただいたときは本当にうれしかった。

そして、彼の心を動かした、Wさんとはどんな人なんだろうと。


・・・・・・


海の日。
納品と同時に、ひとつのオーダーをいただいた。




依頼主は、Wさんだ。
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# by cotomono | 2006-07-19 01:28 | Comments(4)

すばらしき日

きのうは、『深草』さんの蚤の市に参加させていただいた。
http://fukakusa.jp/
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出店は、
空のパン・TRAM・和茶日・フランジパニ・
trouville [泉family]・camhoa・Cotomono
                    (敬称略)


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comhoaさんとわたしは、手作り仲間ということで、
仲良く、床の間を展示スペースに。


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ベトナム語で、「生け花をする」という意味をもつ、
comhoaは、とってもキュートな女の子ふたり組。


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彼女たちの手から生まれる、アクセサリーは
アンティークビーズなどを使い、素材の良さを大切にした
キラリと感性光るものばかり。

そして、モノづくりをするうえで、いちばん大切な
“気持ち”をもっている人。

彼女たちに出会えたことに感謝。



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さて、蚤の市は12時オープンと同時に、たくさんの人、人、人。
『深草』ゆかりのおなじみの面々や、いろんな友達もいっぱいきてくれて、
互いに互いの友達を紹介大会へ突入。。。

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「どっかで会ったことありますよね?」
そんな声が、あちらこちらで聞こえてくる、
笑顔いっぱいの夏の日。

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そんななか、ありがたいことに私の作品に興味を
もって下さった方もたくさんいて、
ひとつ、ひとつ、作品を手にとりながら、
お話をさせていただくことができた。
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今回は時間もなく、蚤の市なのに、
サンプル品のみの展示というカタチとなってしまって、
“欲しい”とおっしゃって下さった方には、少々申し訳ない気持ちに。

そして、これまで、オーダーでしか作ったことのない私にとって、
こういったオープンな場で、作品とともに、
自分を伝えるということの難しさを感じた。

でもそれは、これからのわたしにとって、
大切な“気づき”となるだろう。




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空に夕暮れが近づいてきた頃、
とっても会いたかったYさん夫婦が
子供たちと一緒に顔をみせてくれた。

糸島在住の木の作家、Yさん。

Yさんを私に紹介してくれたのは、今は彼のパートナーであり、
一番の理解者であるCさん。
そんなCさんと私が出会ったのは5年前の夏。
はじめて会ったはずなのに、ずっと会いたかった人にやっと会えたような、
そんな不思議な縁を感じる人でした。
そして、今では多くを語らずともわかり合える、愛すべき大切な友。

Yさんとはじめて話をしたのは、4年前の能古島。
彼にとって、はじめての個展の場だった。

当時、Yさんと面識はなかったけれど、
Cさんを通じて、その人柄にずいぶんと触れていたので、
やっぱり、会えてうれしかったことを憶えてる。

そして、その日の出来事が、
今のわたしへと続く、
大切な、大切な一日となったのだ。


++


初めて目にする、Yさんの木の作品たち。
手にすると、ふっと心が安らいでいくのがわかった。

そして、今にも泣きだしそうな気持ちになっていた。


その頃の私は、「作る」ということがわからなくなっていた。
仕事で何かを作ることをしながらも、心はどんどん消費をしていく日々。
こんなにも作っているはずなのに、作っている気がしない・・・。
そんな自分に苛立ち、苦しんでいた。


気がついたら、心の奥に溜まっていた膿をそのまま吐き出していた。
まとまらない言葉で、自分が何を伝えたいのかさえわからず、
ただただ・・・。

しばらく黙って、私の話に耳を傾けていたYさんは、
自身のことについて静かに話をしてくれた。

それまで働いていたインテリアの会社を飛び出し、
右も左もわからないままスウェーデンの木工学校へ行き、無我夢中で学んだこと。
八女での辛く厳しい修行の日々。
葛藤を乗り越え今に至るまでの気持ちの変化・・・。

そして、最後にこう言った。

「あなたが本当にそう思うのであれば、
               あなたがやるべきことをやらなければね。」

冷たい水を、ピシャリとひっかけられた気がした・・・。

やりたいこと、ではなく、やるべきこと。
Want、ではなく、Must。



やるべきことが何なのか、すぐにはわからなかったけど、
その時にひとつだけ、気付いたことがある。


それまでの私は、自分が何かを作ることばかりを考えていて、
自分自身をつくる、ということをしてこなかったということ。

作るべきはモノではなく、私そのものであること。

そのことを、Yさんは自身の話、そして
木の作品たちをとおして、私に気付かせてくれた。


+++

あの日から、4年がたった。


Cさんはわたし以上に、この日を喜んでくれた。

そして、Yさんは同志のような眼差しで
こう、言葉をかけてくれた。

「続けることが、大事だよ。
      ゆっくりでいいから、細く、長く、ね。」




夕暮れ、
糸島へ帰る家族を見送りに、
何回、「ありがとう」と口にしただろう。


でも、やっぱり、「ありがとう」な一日だった。


『深草』はなさんに、

おなじ時間をともにしたみんなに、


すばらしき日に、


ありがとう。
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# by cotomono | 2006-07-17 11:22 | Cotomono Works | Comments(4)

origami bag

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新作です。

はじめての、両A面リバーシブルで作りました。

表地は、MIMOCAこと、
「丸亀市猪熊弦一郎現代美術館」オリジナルの風呂敷。

海月書林『いろは』でその存在を知ってからというもの、
恋こがれていた、風呂敷です。
http://www.kurageshorin.com/iroha.html

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そして、裏地にはてぬぐい三種を合わせて。

茶色と黄色は、「たてまつる」オリジナル。
そして、水色は「回」オリジナル。

どちらも、ゆるやかな時がながれる、
心地よいお店です。

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このバッグの、もうひとつの特徴は、
裏地の布合わせ以外、生地にハサミを入れてないこと。

風呂敷の良いところは、自在にカタチを変えられること。
だから、糸を解いたら、また一枚の風呂敷に戻れるように、
折っては、返し、折っては、返し、カタチづくっていきました。

まるで、おりがみしてるみたいだったから、
[origami bag]と命名。


ハサミを入れない代わりに、
左右に取り付けたボタンで、やんわりとフォルム付け。

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つくってるなかで、
いちばん苦労したのが、取手の取り付け。

実は、竹製の取手を使うのもはじめてで、
しかも、360度まあるいもんだから、
さすがにミシンは走りません。

手縫いで、ひと針、ひと針、
ときどき、指に突き刺しながら、
チクチク縫いました。

なかなか思いどおりにいかず、3回もやり直したけど、

不思議なことに、手縫いだと、
失敗してもイライラしない。


そして、

幼い頃、ひんやりとした板の間でひとり、
手にあまるほどのハサミで、もくもくと切り貼りしてた
記憶がふわっと甦ってきて、


あぁ、わたしは何もかわってないのだなぁ、、、と。

やっぱり、すきなんだなぁ、、、と。

手は、おぼえているのだなぁ、、、と。

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だから、

この、気持ちだけは、

ずっと、大事にしていこうと、

心に、唱えました。
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# by cotomono | 2006-07-09 13:52 | Cotomono Works

おだやかな暮らし

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欲しいものは  おだやかな暮らし

朝にそそぐ

やわらかな日差し

好きな人の

てのひらが  すぐそこにある

そんな毎日
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# by cotomono | 2006-07-03 22:48 | Comments(3)

sake bag

新作ができました。

名付けて、「sake bag」

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素材には、
酒袋と酒造の前掛けを合わせて。


そして、内布には手ぬぐいを2種。

赤いのは、近所の酒屋に並んでいたものを。

黄色は、南蛮の酒瓶やグラスをモチーフに描かれた、
「たてまつる」オリジナル。
http://www5.cncm.ne.jp/~tatematsuru-net/



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偶然にも、すきなものを合わせてみたら、
「お酒」でつながってしまいました。


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オーダーをくれたJ君は、
「gram」という美容室で働くスタイリストさん。

感じた気持ちのままに、遠く、東の方からやってきたそう。



どこへでも、気持ちのままに旅立てるって、いいね。


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自慢のマウンテンバイクに乗って、
自由な風を、からだいっぱいに感じて、

これからも、走っていけるといいね。


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そのときは、
このバッグを一緒に連れていってくださいね。
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# by cotomono | 2006-06-25 20:48 | Cotomono Works | Comments(5)