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びんぼうでいい。

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雨のなか、昨日は母が着物姿で街に出てきたので、
いつもの料理屋さんでちょっと豪華なお昼を一緒に食べた。

母と、幼い頃暮らしていた長崎の町のことや92になっても元気すぎる
おばあちゃんのことなど、たわいもない話をしながら、
色鮮やかな器に盛られた天ぷらやらお刺身やらを食べてるうちに、
なんだか涙腺が緩んできて、これまで長らく胸にとどめておいたことを、
少しだけ話し、少しだけ泣いた。母の前で涙をみせたのは何年ぶりだろう。

母は深く詮索することはせずに、

若いときは、つらい事、苦しいこと、悲しいこと、いっぱいあっていい。
そのぶん、歳を重ねてからしあわせがたくさんあるからね。
どんなになっても、生きていく力さえあれば、だいじょうぶ。
あんたにはそれがある。だから何も心配しとらんよ。

と、もう若くもない娘を励ましてくれた。


お会計ぐらいしたかったけど、財布には三千円しかなく、
びんぼうでごめんね、と言うと、「びんぼうでいいったい!」と、
何の迷いもなく、あははと笑い飛ばしてくれた。

いまのわたしを全部、まるごと認めてくれたみたいで、
ただ、うれしかった。


おかあさん。
おかあさんって、すごいんだね。


わたしを育ててくれて、ありがとう。

わたしはおかあさんの娘だから、
きっと、大丈夫です。
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by cotomono | 2013-08-27 00:15 | Comments(0)

たしかなこと

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 雨上がりの空を見ていた 通り過ぎてゆく人の中で
 哀しみは絶えないから 小さな幸せに 気づかないんだろ


 時を超えて 君を愛せるか ほんとうに君を守れるか
 空を見て考えてた 君のために いま何ができるか


 忘れないで どんな時も きっとそばにいるから
 そのために僕らは この場所で
 同じ風に吹かれて 同じ時を生きてるんだ


 自分のこと大切にして 誰かのこと そっと想うみたいに
 切ないとき ひとりでいないで
 遠く遠く 離れていかないで


 疑うより 信じていたい 
 たとえ 心の傷は消えなくても

 なくしたもの探しにいこう 
 いつか いつの日か見つかるはず


 いちばん大切なことは 特別なことではなく
 ありふれた日々の中で 君を
 いまの気持ちのままで 見つめていること

 君にまだ言葉にして 伝えてないことがあるんだ
 それは ずっと出会った日から 君を愛しているということ


 君は空を見てるか 風の音を聞いてるか
 もう二度と ここへは戻れない 
 でもそれを哀しいと 決して思わないで


 いちばん大切なことは 特別なことではなく
 ありふれた日々の中で 君を
 いまの気持ちのままで 見つめていること



 忘れないで どんな時も 
 きっと そばにいるから


 そのために僕らは この場所で

 同じ風に吹かれて 

 同じ時を 生きてきたんだ


 どんな時も きっとそばにいるから


       


       「たしかなこと」 小田和正

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by cotomono | 2013-08-24 17:02 | Comments(0)

島の夏休み

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お盆休みは実家でお墓参りをすませた後、フェリーに乗って長崎の高島(離島)へ。

震災直後から東北で被災地支援をしていたHくんだが、未だに放射線量が高く
外で思いっきり遊べない福島の子ども達(家族)を招いて、この夏、高島の民宿で
サマーキャンプをやっているというので、お手伝いがてら足を伸ばしてみることに。

到着した日はちょうど家族の入れ替わり日だったようで、客人は誰もおらず
とりたててやることもないので、波の音と空を舞うトンビのぴゅるる〜をBGMに
島をひたすら散歩する。

高島は元々炭坑の島で、ピーク時には2万人を超える住民が暮らしていたそうで、
所かしこにその名残はみてとれるのだけど、現在は400人にまで減り、
空白となったかつての暮らしがただぽつんとあるだけだった。
住人のほとんどが高齢者で、子どもは小中合わせて10人ほどだそう。
でも、散歩中に会う人会う人、こんにちはーと笑顔で挨拶してくれてほんとに
みんな顔なじみなんだなぁ〜と感心する。

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夕方からは、精霊流しがあるというので(長崎では15日は初盆を弔う日)
島でただ一軒のスーパーで、都会ではまず飲まないファンタグレープを買って
歩道をぽつぽつと歩いていると、遠くから爆竹の音が聞こえてきた。

遺影をのせた船を家族でかつぎ、太鼓を叩きながらゆっくり島を一周。
長崎市内では四方八方から船が流れ出し生中継されるほどの一代イベントらしいが、
ここではそれぞれに彩られた5船だけが、静かにでも確かな足取りで進んでいく。

最後はまとめて燃やすんよ。と誰かが教えてくれた気がしてたけど、
海を赤く染めながら、ゆっくりと沈む夕日を眺めているうちに、
クライマックスを迎えぬまま、いつのまにか精霊流しは終わっていた。。。


夜は、Hくんと島に移住している若者と3人でナイトピクニックならぬ、
ナイトフィッシング。満天の星空の下、こそこそ四方山話をしつつ
イカとかエイとか、きらきら光る青い魚とかに遭遇。
夜の海って吸い込まれそうで怖いけど、それもいいかなと思ってしまう
くらいに、夜と海の境界線があいまいになっていく。。

民宿に戻ったのは0時過ぎ。なんて長い一日。


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翌日は朝からお手伝い部隊がぞくぞくと到着。一気に賑やかになる。
わたしも夏休みモードからお手伝いモードに切り替え、夕方には
みんなで福島からの2家族、7人を無事に迎えることができた。

お夕飯はお手伝い部隊を含め、総勢20人で食卓を囲み賑やかな晩餐。
子どもたちは緊張のカケラもなく元気にやってたけど、親御さんが、
特にお母さんたちの表情がぎこちないようだっけど(あたり前か...)
お夕飯のあと、一緒に洗い物をしているうちに自然と笑顔がでるように
なって一安心。お風呂上がりには大人たちもすっかり気がゆるみ、
みんなでビールを呑みながら、お仕事のことや故郷のことなど、
ざっくばらんにいろんなお話を聞かせてもらった。


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3.11の原発事故以降、福島は特別な場所となってしまった。
同じ被災地である、宮城や岩手とも違うものを背負されてしまった。

東京電力福島第一原発の現状や、高い放射線量のことを思うと、
未来ある子どもたちのために「いまは離れるべきです」と、心の底では思う。


でも、海でころころになって遊ぶ子どもたちを見つめながら話してくれた
お母さんの言葉を聞いていると、そんなことはとても言えなくなる。

  あんなことがあって、一時はほんとうに絶望しました。
  離れていった人たちもいます。
  でも、そのおかげで絆が深まったのも事実です。
  こうして色んな人に助けてもらい、つながることができて
  いまは本当にしあわせです。


そう、力づよく話してくれたお母さんの言葉に、
まったく迷いがないといえば、うそになるのかもしれない。

でも、それが例え強がりだったとしても、
わたしは、ただだまってうなずくことしかできない。


あいまいで、もやもやで、ぐちゃぐちゃしてて、
すっきりはっきりなんて、とてもできないけど、


だからこそ、わたしはここに来たのかもしれないな。
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by cotomono | 2013-08-19 22:20 | Comments(0)

絶望が足りない。

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福島第1原発、汚染水問題「深刻で、切迫している」=田中規制委員長
時事通信 7月31日(水)16時52分配信
 東京電力福島第1原発で放射能汚染水が増加し続けている問題で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は31日、定例会見で「かなり深刻で、切迫している」と述べた。
 田中委員長は「汚染されていない水を捨てる了解をいただかないと、原発の後始末は不可能」とし、放射性物質濃度が基準値以下の水は海洋放出が必要との認識を改めて示した。東電に対しては「必死になって頼む姿勢が足りない」と述べ、引き続き漁業関係者らを説得するよう求めた。
 同原発では汚染された地下水が海へ流出していることが判明し、東電への不信感が高まっている。汚染前の地下水の海洋放出にめどは立っていないが、田中委員長は
「(海へ)捨てさせてくださいと言うのは私たちの仕事ではない」とも語った。 





「まだちょっと絶望感が足りないんじゃないか」
このニュースを読みながら、石牟礼道子さんの言葉が浮かんできた。


絶望しないままに流れついた水俣の海が、
いまここにつながっている。

安易な希望に呑み込まれずに、今度こそ、
わたしたちは絶望できるだろうか?



希望がないんじゃない。
絶望が、全然足りてないのだ。



追記:田中龍作ジャーナル【福島原発・汚染水問題】 田中委員長「深刻で切迫している」 水俣超える海洋汚染か
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by cotomono | 2013-08-01 00:44 | Comments(0)