<   2009年 10月 ( 20 )   > この月の画像一覧

たかが、

a0072072_1743066.jpg

朝から、個展用としてはラスト3つめにあたる新作に取りかかる。
リネンやコットンといった使い慣れた素材ではなく、
まったく初めての素材を使って、まったく新しいカバンをつくる。


スケッチをもとに手を動かしてゆく。
でも、実際はスケッチのようにはいかない。
鉛筆のようなラフなラインはどこにも存在しないし、
そこに雰囲気やニュアンスを出そうとすれば、
細部をきちんと作り込まないとそれは表現できない。
なんとなくを作りたければ、なんとなくなどできない。

その、なんとなくを表現できるようになるまでに、
いったいどれくらいかかるのだろうか...
今日もまた、細部のつくりに手こずり力のなさを痛感する。
こうしたい画はみえているのに、いったいぜんたい、
どうしたらいいのかわからない。

はぁぁぁぁ、、、、、、、


脳みそが耳からでてきそうになって、もう限界。
いったん手を休め、気分転換にチキンカレーを作る。
野菜を刻み、肉を炒め、ルーを入れてぐつぐつ...

そして、ぐつぐつしながら思うのだ。



「たかが、カバンなのに」


むかし、親に言われたことを思い出す。

それで家族を養っているわけでもなければ、
公的な資格があるわけでもなく、将来の保証だってない。
いつそれをやめったて、誰も困らない。
なにをそんなに熱を上げているの?


「たかが、カバンなのに」


そうだ。
たかが、カバンを作っているだけなのだ。

それで、世界の貧困がなくなるわけでもなければ、
誰かの自殺を思いとどまらせることもできない。


でも。


その、たかがをやらなければ、

わたしは、
わたしになることすらできなかった。




魂ぐらい、傾けよう。


たかが、
カバンを作っているだけなのだから。





It's only my time
[PR]
by cotomono | 2009-10-31 19:13 | Comments(0)

ほんとうの物語は

a0072072_2113850.jpg

現実に立ち向かうための、創造 creation
未知に近づくための、想像 imagination


ほんとうの物語は

みんな それぞれ
はてしない物語(never ending story)なんだよ

〜 ミヒャエル エンデ 〜



大切な日に
大切なことを教えてくれて

ありがとう
[PR]
by cotomono | 2009-10-29 21:13 | 覚え書き | Comments(0)

クレマチスとエンデ

a0072072_1452115.jpg

ひなさんにいただいたクレマチス、一足先にバースデープレゼント

昨夜は月麦のひなさんと『漢陽』にて韓国料理の夕べ。
もともと漢陽はうちのすぐ近所にあったんだけど、区画整理のため
月麦(御供所町)の目の前に移転。看板犬のわんこ(韓国生まれ)はいなかったけど、
味はそのまま(チヂミうまかった!)で、大将も変わらず元気そうで良かった。

ひなさんとは出会ったのは4年前。
わたしが博多に越してきた頃に、ひなさんも御供所に月麦をオープン。
散歩の途中で「かわいいお花屋さんだー」と何気なくお店をのぞくと
そこにある草花たちとおなじ佇まいをしたひなさんがいて、瞬間で好きになった。
それはひなさんも同じだったようで、わたしが自分で作ったカバンをみて、
その場で同じものを作ってくださいとオーダーをいただいたのだった。
そのカバンはもうくたくただけど、今でもちゃんと使って下さっていて
ありがたいやら、あんな拙いものを...と申訳ないやら。
それからずっと仲良くさせてもらっているのだけど、意外にもふたりで
ゴハンをするのは初めてで、これまでのこと、これからのこと、
すごくいっぱいいろんな話しをした。話しをするうちに、
あぁ、やっぱりひなさんとわたしは根っ子がおなじなんだとわかって、
初めて会った時に感じた信頼感はここからきてるのかもなと...
これからも、感じるままにお互い素直に生きていけるといい。
それがいちばんいい。


さて、今日は10月最後の水曜日。
朝から去年の個展以来定番となっているカバンを制作、
よりシンプルにクオリティを上げてフィニッシュ。

そして、個展まで残すとこ20日。
もがいてあがいてのトンネルは抜けたから、
あとはゴールまで全力で走り抜こう。
きっと、すばらしい景色がみえるはず。


***


明日の夜8時から、NHKのETVでミヒャエル・エンデ特集が再放送されます。
エンデは「モモ」や「ネバーエンディングストーリー」の原作者で、
ファンタジーのなかに真理を描いたドイツの児童文学作家。
内容が『エンデの遺言』でないとこが少し残念ですが、
わたしにとっては贈りもののように思えてすごく楽しみです。
興味のある方はぜひ。
[PR]
by cotomono | 2009-10-28 16:58 | Comments(4)

クラフトでもプロダクトでもない

a0072072_223025.jpg

photo:misa shigematsu [ STM ]


今日も午前中から制作。
昨日からの新作をなんとか仕上げるも、最後まで落としどころが決めきれず
なんとも後味の悪いバラバラなものになってしまった。

あんた、まだまだそんなもんですよ
そんなかんたんに届くもんじゃないですよ

悔しいけど、それがわかっただけで、よしとしないと...


午後からは気分転換も兼ねてmarcelloへ。
気持ちをあげるには、いいものや人にふれるのがいちばん。
さっそく目に入ってきたhomspunのジャケットコートを羽織らせてもらう。

ここの服に触れたことのある人ならわかると思うけど、
ここの服の誂えは、ほかのどこにもない質感がある。
定規を当てたようなシャープで正確な線を、
あえてうえから鉛筆でなぞったようなラインとでもいうのか...
でも、それは1㎜もそらさず真っ直ぐに線を引けてはじめて
つくりだせるフォルムのようにも感じる。

わたしは、そういうものに憧れている。
クラフトでもプロダクトでもない、もの。




marcelloでは、これからの季節にぴったりな素材を仕入れることができた。
ストックしてる素材ではこれ以上新しいものが作れそうになかったので、
ほんとうに助かった。krank-marcelloにはいつも感謝です。


いち日のおわりに「新しいものがみたい」という青木良太
そうだよねと、深くうなずく。

わたしも、新しいものがみたいのだ。
[PR]
by cotomono | 2009-10-26 00:10 | Comments(0)

I am PEACE

a0072072_19372285.jpg

コラボかばん、一足先にちょこっとだけお見せします。


今日はお休みだけど、朝7時に起きて部屋を掃除してから新作に取りかかる。
「くいきり」とか「やっとこ」を手に、まず最初に肝心のパーツを作ってゆく。
はじめてだし、もっと手こずるかなと思ったけど何度もシュミレーションした
おかげか、意外とスムーズにパーツ作りは完成。でも、そこからが苦戦...

いつもは、端処理がすべて隠れるようにリバーシブル(としても使えるように)で
作っているのだけど、今回は構造上それができないので、
みせる部分とみせない部分を一緒に縫い合わせていかなければならず、
簡単にみえてこれがなかなか難しい...まぁ、なんとか縫い合わせができたものの
思っていたものとはほど遠いものしか作れなかった。

うまくいかない手を動かしながら、
なんでこんな孤独でしんどい思いまでして、わたしは作ろうとしてるんだろ?
それで食える保証なんかなく、いつ創作意欲が枯れるかもわからない。

でも、どうして?
わたしは、つくらずにはいられないのだろう?




ホームページを、リニューアルするにあたり、
つくりつづけるその先に、「世界平和」があると書いた。

いやいや世界平和とは、あんた大きくでましたねと思われるだろうけど...
でも、それはやっぱり間違ってないように思う。


自分らしく生きることをはじめ、
あらゆる表現活動のベースとなるのは、

何からも支配されない自由な精神であり、無条件の生の肯定であり、
つまりのところ、それは「平和」なのだ。

大きなステージで唄うミュージシャンも、
路上で詩を紡ぐ小さなアーティストも、
他者とともに自分を生きようとする誰しもがみんなおなじ、
それをもっている、つくっている。


それ故に、わたしはつくるのだろう。

I am PEACE
[PR]
by cotomono | 2009-10-24 21:54 | Comments(0)

やっとことALPS

a0072072_18561767.jpg

新しい道具「やっとこ」さんです。でもなんで「やっとこ」なんです?


着物屋さんの帰り、今日もTHE☆お助け屋な店いづみさんへ。
今週末、なんとしてもクリアしなきゃなんない「できないこと」に挑むべく、
材料とそれに伴う道具を買い揃え、使い方をひととおりレクチャーしてもらう。
まぁ、使ってくうちに道具は慣れるとしても、それをどうシンプルに美しく納めるかが
本当に難しくて、今日もずっとあたまの中でシュミレーションしているけれど、
いまのわたしの技量ではなかなか高いハードルであることは間違いなく...
でも、だからといって最初から誰かの作り方を真似てしまうと、
これからもそこを安易になぞってしまうことになりかねない。

独学であることは、とても遠回りで効率の悪いことだけれども、
それが故、自分のデザイン(考え)となってゆくのだと思う。
なりたい姿はみえているのだから、そこを目指してまずはチャレンジ。

そんな思いを再確認し、いづみさんをでると急に甘いものが食べたくなって、
ずっと気になってた「ALPS」という名の2軒隣のケーキ屋さんへ。
昔ながらの小さな店構えをくぐると常連さんらしき背広姿のおじさまが
嬉しそうにケーキを選んでいた。
店内には、大正11年創業の文字とその当時に作られたバースデーケーキの写真が
誇らしげに飾ってある...大正11年といえば1922年。
はー、87年間もがんばってきたんかーと、それだけで拍手もの。
いづみさんも大正5年の創業だけど、うちの近所(博多の下町)にはそんな気骨ある
商売人が軒を連ねていて、「あんたのとこががんばるならうちもがんばろ」的な気配が
あって、たいへん頼もしいものです(笑)

聞けば「ALPS」、日替わりランチもやってるそうで、プチケーキ+珈琲付きで700円。
今度のお休みにさっそく行ってみよっと。
ガトーショコラとざくざくしたカボチャのパンプキンパイをお土産に
「また来ます!」と店を後にしたのでした。
[PR]
by cotomono | 2009-10-23 19:53 | Comments(0)

次につながるものを

a0072072_15572988.jpg

「はじめての個展より、2回目の方がぜんぜん難しいよ。」

むかし、矢野さんがぽつりとつぶやいた言葉。
すばらしい作品たちをまえに、何がそんなに矢野さんを苦しめているのか、
そのときはわからなかったけど、いま、同じ状況になってみて、
はじめてその意味がわかるような気がする。

一年間、ほぼ毎日、そのことを考え手を動かしてきたのだから、
クオリティが上がるのは当然のことで、
いろんなものがより良く作れるようになったのは確かだ。
でも、それは過去の踏襲でしかないように思えて仕方ない。
つくっても、つくっても、わたしの真に響いてこないのは
それがリライトに過ぎないことを、わたし自身が気付いているから?


残り26日。
ひとつでいい、つたなくていいから、
次につながるものを、つくろう。

できることをやっていては、だめなのだ。
[PR]
by cotomono | 2009-10-21 16:41 | Comments(0)

良いと思えるところまで

a0072072_0145778.jpg

その糸の色が、白だろうが黒だろうが、
大きなことからみればほんのささいなことで、
今日で世界が終わるわけでもなく、
明日からごはんが食べられなくなるわけではないけれど。

でも、それがほんとうに良いと思えないままに
ただ手を動かし続けても、良いものにはなれない。
良いと思ってやってても、そうならないことの方が多いのだから
なおさらのこと。

だから、良いと思えるところまで
なんども戻って、なんどもやり直して、
良いものに近づくほかない。

その積み重ねの先にしか、良いものはないのだから。
[PR]
by cotomono | 2009-10-21 00:37 | Comments(0)

たまには路上へ

a0072072_19262936.jpg

昨日は制作の手を一時止めて、『プルサーマルよりカーニバル』という冗談みたいな
ネーミングだけど、超真面目なイベントのお手伝いを。

すでにご存知の方も多いでしょうけど、玄海原発では現在、プルトニウムをウランと混ぜて
出来たMOX燃料による発電(プルサーマル計画)が始められようとしていて、
44万人の反対署名をもってしても、九州電力はその超危険な計画を強引に遂行中。
ゆるいカッパ出てきて「原子力(プルサーマル)はCO2を出さないエコエネルギー」
だとかぬかしてるあの九電のCMを見るたびに怒りがふつふつと。
だいたいエコ買いエコ変えとか何でもエコ付ければいいと思ってさ、
エコエコ消費させようとほんとうるさいよー。
ま、それはさておき、政府もダム(箱もの)中止もいいけど、
取り返しのつかない負の遺産である原子力発電をまずどうにかしてほしい。
(福島さん(社民)がんばれー)


で、肝心のイベントですけど、
制作が忙しくて準備段階から関われなかったこともあり、
講演会も上映会もワークショップもいまひとつ上の空で、
警固神社で受付しながらマナバーガー食べただけという...
やっぱり、やるならちゃんとやらないとおもしろくないと
境内でひとり石蹴りしながら反省。

でも、夕方からの路上デモはひさびさ楽しかった。
DJを先頭に福岡では考えられない160人もの人が参加して、
ビール飲みながら踊って叫んで、はー、やっぱり路上はいいね。
自由と不自由の境界線に立ってるみたいでさ。
ま、毎度のごとく迷惑そうな顔した皆さんを尻目に、
はいはいうるさくてすいませんねーと思わなくもないですけど。

でも、でもね。
街はショッピングのためだけにあるわけじゃなく、
道路はCO2出しながら走る車のためだけにあるわけじゃなく、

きみが、わたしが、
その「思い」を伝える場所でもあるのですよ。

たまには路上もいいもんです。
[PR]
by cotomono | 2009-10-19 20:32 | Comments(0)

ホームページ:リニューアルのお知らせ

a0072072_1224130.jpg

3年ぶりに、ホームページを一新、リニューアルしました。
www.cotomono.com



:::



  「心に発して、手に応ずる」
  ものをつくりだすには、心が高くなければならない。
  心が、作品に表れるのだ。


これは、永遠のデザインマイスターであり、わたしの心の師匠でもある柳宗理さんの言葉。

柳さんはご自身の戦争体験から、庶民の暮らしを良くするものをつくろうと志した。
何故なら、戦争は一部の軍人や政治家が始めたものでは決してなく、
日々の暮らしを大切にできなかった、わたしたちひとりひとりの心の在り方が
招いた結果なのだからと。だから、庶民の暮らしにこそ本当に美しいものが、
ながく大切に使いたくなるようなものが必要なのだと。

そんな柳さんに憧れ、2003年から少しづつはじめたものづくりも今年で丸6年。

ものづくりをはじめた頃から、ただ、ものを作るだけでは、
わたしはすぐに作れなくなってしまうだろうと感じていて、
もっと、根源的なところにおいて「つくる」とは何か?を
ずっと模索しながらやってきました。

その過程で、いろんな「ひと、こと、もの」との出会いがあり、導かれ、
だんだんと、自分をカタチづくるものと、自分がつくりだすものが
近づいてきたというか、目指すところがはっきりとみえてきました。

それは、かんたんに言葉にはできないほど、とてもとても途方もないものですが、
そこを目指さずして、やはり、つくり続ける理由はないように思うのです。
そしてそれは、ものづくりをはじめた時から、根っ子の方で感じていたことでもあり、
つくり続けてきたいま現在も変わらない、唯一のことでもあります。



そんなふうに、やりたいことと、やるべきことが、ひとつになろうとするなか、
それを改めてホームページ上に表現するにあたり、その目指すところがおんなじ人に
お願いしたいなぁと思い、いちばん最初に浮かんだのが、タキタさんでした。

そんなタキタさんと出会ったのは、mixiというソーシャルネットワークのなか。
(わたしはもうずいぶん前に退会してしまいましたが...)
当時、わたしは海月書林という小さな古本屋さんが作っている小冊子『いろは』のコミュを
つくり管理人をしていました。といってもメンバーはたったの5人。
そんな小さな本の小さなコミュに、男子で初めて参加してくれたのがタキタさんでした。

タキタさんは現在、大学院で教鞭をとっていらっしゃいますが、
当時は小さな古びた温泉街にひとり飛び込み、そこに暮らし、
自分の足下からローカルな視点で「まちづくり」を実践されていました。

ちょうどその頃、わたしはものづくりをはじめたばかりで、これから先どうやって
いこうかと思いあぐねていた矢先、作品を気に入ってくれたある友人から、
「ホームページを作ってウェブショップやったらすぐに売れるよ!」と簡単に言われ、
そういうもんかと思う一方、
「いやいや、顔の見えない相手に何をどう作ればいいかわからないし、
だいたい、作ることすらままならないのに、売ることなんて想像もつかんよ」と、
内心、途方に暮れていたとき、たまたまタキタさんが書いていたある文章が目に留まり、
それを読んでいるうちに、ぱっと視界が開けた気がしたのです。

何が書いてあったのか、今はもう思い出せないのですが、
とにかく、自分が抱いている本質的なとこにひっかかったのは確かで、
その後すぐに見ず知らずのタキタさんにメールをしたのを覚えています。

それからは、タキタさんの結婚式にご招待して頂いたことはありましたが、
特に接点もなく、イベントで顔を会わせても挨拶程度の会話で終わってましたが、
ちょくちょくブログを拝見していたこともあり、
人として、タキタさんがどうあろうとされているのかは、
わたしにもみえていた気がします。
そういう意味で、タキタさんのことは最初から信頼していました。

そして、当時「ウェブショップなんて!」と全否定していたわたしが、
現在こうしてタキタさんに、ウェブショップを含めたホームページのデザインを
お願いしているのですから、本当に不思議です。


あらためて、タキタさん
お忙しいなか、わたしの思いを汲んでくださり、
すてきなホームページをつくっていただき、
本当にありがとうございました。
ここに記してあることを自分のホームとしていけるよう
がんばります。


最後に、
タキタさんも目指しているだろう「それ」は、

「世界平和」ではありませんか?
[PR]
by cotomono | 2009-10-18 12:11 | Exhibition | Comments(0)