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フェアとは

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「フェア」とは


互いの「しあわせ」を想像し、
安易に天秤にかけないこと。

国際基準といった大きなシステムの話しではなく、
もっと、自分の足下にある「フェア」を。



それは、
自分自身にそうであるように、
近しい人たちにそうであるように、

遠くで暮らす彼女たち、
ひとりひとりに正直であること。


そして、
良いものをつくってゆく、その誇りと喜びを分かち合い、
互いに笑顔であれるように。


その気持ちをもって、
「フェアトレード」という名の刺繍糸を紡いでゆければと思う。


Thank you ,
Salt Payatas Foundation


2009年7月
Cotomono





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これから、わたしがつくるかばんのすべてに
この「Cotomono」ロゴ刺繍を付けていこうと思います。

このロゴ刺繍はフィリピンのパヤタスという巨大なゴミ捨て場周辺のスラムや、
パヤタスで2000年に起きたゴミ山崩落事故の被災者が移住したカシグラハンという
地区に暮らす女性たちに制作していただきました。
刺繍の労賃として一枚につき500円を含んだ価格をかばんに付けさせてもらい、
その分の収益は「Salt Payatas Foundation」を通じ、支援を必要としている
パヤタスやカシグラハンの人々のための支援事業に使われます。






この小さなフェアトレードが動き出してすぐ、うれしかったことがあります。

このロゴ刺繍をお願いするにあたり、試作をお願いしました。
わたしの名刺デザインを元に刺繍をおこしてもらう際、
アナベルさん(刺繍をして下さる方)が、フルクロスより多少難しくても
ボタンの模様が綺麗に見えるハーフステッチを使って試作したいと
申し出てくださったのです。
その方がオリジナルに忠実なものが出来上がるとの思いからだそうです。
(小さくてわかりずらいのですが、
Cotomonoの「O」はボタンをイメージしたデザインなのです。)



本来「仕事」とは、単なる賃労働ではなく、
苦労や喜びといったお金だけでは語れない、
何かしらの「思い」があってこそのもの。

アナベルさんとわたしは「良いもの」を作りたいという思いで
ちゃんとつながっているのだと感じた瞬間でした。



実際に現地をみていないわたしが一方的に言えることではないけれど。

仮に、彼女たちの「仕事」がゴミ山でゴミを集めることだったとして...
その労働で得たお金で日々のパンを買い、
子どもたちを学校へ行かせることができたとしても、
その「仕事」に希望をみいだすことは、とても困難なことだと思います。
でも、その「希望」こそが生きる糧となってゆくのだと思うのです。

なにもお金をたくさん稼ぎたいわけではありません。
日々を楽しく、しあわせに暮らしたい。
そんな、ふつうの毎日を積み重ねられるような「仕事」を。
ただそれだけなのです。



想像してみてください。
簡単なことです。


明日からあなたの仕事が、
途方もなく巨大なゴミ山のなかで、永遠にゴミを集めるものだったとしたら。
そして、それ以外に選択の余地がないとしたら。

明日からも、ちゃんと笑っていられるでしょうか?




このフェアトレードは、現在進行形で進行中です。

わたしのなかに希望があるように、
彼女たちのなかにひとつでもたくさんの
「希望」が生まれますように。
by cotomono | 2009-07-15 21:44 | 覚え書き
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