夕方、近所の八百屋で金時人参をみつけた。
ほれぼれするほど美しくて一本手に取りしげしげとみつめていると
おばちゃんに「お正月は家に帰ると?」と声をかけられた。
「うん、おせちを一緒につくるよ」と返事をして人参をもどす。
はぁ、、、それにしてもみとれてしまうほどのお姿だ。
凛とした奥ゆかしい赤。
ひとりじゃ食べきれないけど、やっぱり一本欲しいなぁ。
さて、今日は「お高い!取扱い注意」とメモが添えられた
江戸小紋の付下をプレスした。
一見、とても地味だしどこがお高いんだろう?と興味深くみていくと
紋様ひとつひとつに粋な遊び心が施され、ふわりと羽織ったときに
上等品特有のしっとりとした重さを感じた。
キモノを扱う仕事をはじめてからというもの、
以前にも増してモノの質感が気になるようになってきた。
うまく言えないけれど、
いいものには、「陰と陽」「光と影」
その両方が宿っている気がする。
金時人参も然り。