Germany stay photograph diary at Stuttgart:24

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さて、GEDOK HAUSでの展示会ですが、一昨日で無事に終えることができました。
4日間という短期間でしたが、初日から信じられないほどたくさんの人にお越しいただき、本当に素晴らしい経験をさせていただきました。

そして今回、事前予約分も含めて15点カバンを持ち込んでいたのですが、
[ARTANI]というショップの買い取りも含め、すべてを完売することができました。
もう20回近く展示会をやってきましたが、完売したのはこれが初めてです。

ここでの写真は、インスタにたくさんアップしているので見たい人はどうぞ。
https://instagram.com/cotomonomotoco/


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展示会3日目の夕方からは、トークショーの場を設けていただきお客様の前で
自分の考えやものづくりの姿勢をお話しました。ファシリテーター役のピーターが
うまくわたしのキャラクターを引き出してくれたのもありますが、ドイツ語も英語も
さっぱりのわたしの言葉を通訳してくださった、淵脇謙治さんの存在なくしては
今回のことは語れません。彼はドイツ在住15年の陶芸家で、今回器を一緒に展示
して下さいました。話てても全然飽きない、本当にクレバーな人です。

簡単に通訳といっても、その人に中に横たわる共通する言葉がなければ、
ただ上辺だけの単語なってしまいますが、彼にはわたしの言葉を通訳し、
それを彼の言葉で翻訳できるだけの力があったので、わたしが話す以上に
言語の違うドイツ人の方々にも深く届いたのだと思います。

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そして、わたしの言葉を翻訳し伝えてくれた人がもう一人います。ベアトレスです。
わたしは今回の展示会でどうしてもミヒャエル・エンデの「MOMO」についての、
話をしたくて、本当のことを言えばカバンを動かすことが目的ではなく、
それをしたいがために、わたしはカバンたちと一緒にドイツきやってきました。


そのことを伝えるために、わたしはまず日本語で文章を書きました。
そして、それをMARIABERGで通訳してくださったいづみさんに
ドイツ語で直訳してもらいました。

でも、それをベアに見せたところ、これではドイツ人には伝わりにくいから
わたしが翻訳すると言うので、じゃあ、英語で書き直すからそれをドイツ語に
翻訳してくれる?と言ったら、大丈夫、わたしは日本語は分からないけれど、
あなたのことは深く理解している。だから、いづみさんの直訳文で十分。
わたしはあなたの気持ちをうまく代弁することができるからと言って、
丸2日かけて、ドイツ語のテキストを書いてくれました。

わたしには彼女が書いてくれたドイツ語が読めないけれど、
もう、彼女の気持ちだけで、ここまできた甲斐があったなと思いました。

そして、カバンを欲しいとおっしゃってくださる方以上に、このベアが翻訳した
わたしの言葉を持って帰りたいという方がたくさんいて、本当に奇跡のような
経験をさせてもらいました。

これは、わたしの言葉であり、ベアの言葉でもあります。
だからこそ、たくさんの人の心に届いたのだと思います。


余談ですが、ちょくちょくのぞいている
占いのページに
ドンピシャのことが書いてあって、びっくり。。
ま、1週間ずれてましたけどね。。。(笑


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わたしの愛すべき友、ベアとピーター。
彼らがわたしをここまで連れてきてくれました。

ちなみに彼らが持っている黒い布は、わたしが展示会中に制作した
ピーターの日本茶カフェITOのフラッグ。
使いなれないミシンでトラブル続出でしたが何とか完成させることができました☆


最後に、わたしが書いた日本語のテキストをライトダウンします。

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” 時間泥棒に気をつけて ”  今村素子 / Cotomomo ー かばん作家


このマントはミヒャエル・エンデの「モモ」へのオマージュとして制作しました。

私は子どもの頃から「モモ」のお話が大好きで、
大人になった現在でも時折読み返しています。
読み返すたびに新しい発見があって、
何度読んでも読み飽きない不思議な物語です。

このお話のなかに、カシオペアという名前の亀が出てきます。
時間の国に住む時間を司る神様「マイスター・ホラ」が遣わした、
モモの相棒です。

カシオペアは30分先のことまで予見できる不思議な亀です。
甲羅にほんのりと光るサインを出してはモモに知らせます。

『ツイテオイデ!』
『シンパイムヨウ!』
『シズカニ!』

そして、モモを捕まえようとする灰色の男たち(時間泥棒)からモモを守り、
無事にマイスター・ホラのもとまで案内するのです。



私はこのエピソードにインスパイアを受けてこのマントを作りました。

このマントは自分にとってのカシオペアです。
マントの色、深緑は亀の色であり森の色でもあります。
そしてこのマントには大きなジッパーが付いていて、大事なものを詰め込んで
身体に纏うことができます。



私は去年の9月、あるドイツ人の友人たちと糸島という日本の森で遊びました。
その時、たくさんの仕事を抱え文字通り「時間泥棒」に追われる日々でしたが、
彼らと糸島の森で遊んだあと、たくさんのアイデアが溢れ出し、
まるで生まれ変わったかのように元気になりました。
糸島の森は私に素晴らしい世界を与えてくれました。

そして思いました。
もし、時間泥棒に捕まりそうになったらこのマントを纏って森へ逃げよう。
森はきっと私を助け、守ってくれる。

もちろんこれは、わたしの想像の世界のお話です。
しかし、ここにひとつの重要な事実があります。



1945年第二次世界大戦当時、16歳だったミヒャエル・エンデのもとに召集令状が
届きます。少年たちはたった一日訓練を受けただけで兵士として前線に送られ、
彼の学友3人は戦死しました。
そんな状況下でエンデは召集令状を破り捨て、シュヴァルツヴァルトの森の中を
夜間のみ80km歩き、ミュンヘンに住む母親のところまで逃げ切りました。
彼の生きることへの想像力とシュヴァルツヴァルトの森が彼を守ったのです。



2015年の現在を生きる私たちにとって戦争は遠い過去のものです。
しかし、私にはそれが過去のものだとは思えないのです。
それどころか戦争の足音すら聞こえてきそうです。

わたしは恐れています。

残念ながら、日本は灰色の男たちに支配されています。
時間泥棒の手を借りるまでもなく、
お金と引き換えに自ら時間を差し出す人ばかりです。
お金というものが何かを理解することもなく。

そして近い将来、灰色の男たちはもはや時間ではなく、
命を差し出すよう求めてくるでしょう。
その準備が着々と進んでいます。そして多くの日本人がそれに対し無関心です。

わたしは過去十数年にわたり社会運動というかたちでそれに対する抗いを
試みてきました。反戦、政治、環境、反グローバリズム経済、、、
実に様々な社会運動に関わってきました。

しかし、2011年3月の福島原発事故以降、一切の社会運動から手を引きました。
そして福島を含む被災地を2回訪れ、カバン作家としてのはじまりの場所であり、
またの大切な売り場でもあった東京からしばらく距離をとることを決めました。
それが自分ができる責任の取り方のひとつだと考えたからです。

何故なら問題は福島にあるのではなく、東京にあると思ったからです。
正確に言えば「東京」という名をした巨大な資本システムが、
福島の原発事故を招きました。
そして、その責任を誰ひとりとして取ろうとはしません。
そんな日本人のひとりとして、世界に「ごめんなさい」と言いたい。

わたしはもうプラカードを持ってデモ行進はしません。
それはもう、自分の方法ではないからです。





すべての「表現」の根幹にあるものは平和です。
無条件の、生の肯定です。
顳顬に銃を突きつけられて、いったいどんな「表現」ができるでしょう?

おおげさだとおっしゃるかもしれませんが、
そのことを想像(Imagination)できなくて、
いったい、どんな創造(Creation)ができるでしょう?

そんな「生きる」ことへの想像力を欠いた表現など、
それはどこか「嘘」だと思います。

わたしはずっとその想いでカバンを作ってきました。

美しいものをつくろうと思います。
平和を、つくろうと思います。

それが、自分の生きる姿勢であり「表現」だから。


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by cotomono | 2015-05-19 17:39 | Germany | Comments(0)
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