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白紙

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今年もかりんの季節が来たようで、ひとつ拾ってもらいました。
ほんのり、冬の匂いがする。

夕方までに発送しなきゃならないオーダーものを仕上げるべく朝から針仕事。
ラジオはずーとクリスマスソングのオンパレードで、もういいかげんにして...
と愚痴りつつ、もう少しまともな番組はないものかと、ラジオのチューニングを
合わせていると、たまたま「震災と日本人の心」というテーマで、宗教哲学者の
山折哲雄さんという方のお話があっていたので、しばし、心静かに耳を傾ける。

“少年の日の記憶につながる東北の震災地に立った時、山折さんは「地獄」という言葉を思ったという。しかし猛威をふるった自然はあまりにも美しく、人々は柔和で穏やかな表情だった。日本人の心性は自然とどう向き合うかによって形成されて来たのではないか。大震災が日本人の心に与えた影響を考えつつ精神の行方を探る。”

お話のなかで、ひとつ印象に残る言葉があったので、忘れないように...

「真の復興とは、あの日、たまたま逝ってしまった無数の魂に想いを馳せ
無言の対話を続けること。」



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奈良美智さんのイラストに惹かれ
初雪の舞う路上でビッグイシューを買う。


「オーディエンスの期待は無視していい。
自分は自分自身とわかり合わなければいけなのだ。
その自分対自分の、取っ組み合いの戦い、
鏡に映る自分との戦いこそが、彼らの眼を覚まさせ、
彼ら自身を心の奥に歩ませるのだ。」


奈良さんは、やっぱり孤高のアーティスト。

来年、熊本に来るみたいなので、
6年ぶりに奈良さんの作品に触れてみたいな。

しん...と深いところとの、対話。


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まどかのカレンダーをめくりながら、来年のことをぼんやり思う。


こんなに「白紙」なのは、はじめてかもしれない。
でも、不思議と不安はなくて、ただ静かに何かを待っている気がする。


埋まらないものは、無理に埋めなくてもいいのだろう。
空白は、空白のままで、もっておこう。
by cotomono | 2012-12-24 22:31
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