昨日は夕方からアクロス福岡へ。 ソルトのOさんに「Likha」の新しい刺繍ハンカチをみせていただくことに。 Oさんのブログを時折拝見していたので、その奮闘ぶりは知ったつもりでいたけど、 実際に目にしてみると、じんわりとこみ上げてくるものがありました... うえの2点は、Cotomonoロゴ刺繍もして下さっている、 手先が器用でデザインの感性もあるアナベルさんの手によるもの。 paru paro(チョウチョ)とsari sari store(雑貨屋さん)、どちらも フィリピンらしいものをさりげなくモチーフにしているとこともいい。 これを、これまでのような(ロゴ刺繍のような)刺繍ステッチ用の布にではなく、 直接素材(今回はオーガニックコットンのハンカチ)に刺繍できるようになっていることが、技術的にもかなりすごいことなのです。 去年の夏前だったか、ソルトのOさんと現地で指導にあたられているOさんと 博多駅でお茶をしながら、どうしたら日本の市場に持っていけるものになるで しょう?と相談を受けたとき、僭越ながらいくつか思っていることを正直に お話しました。 それは、一般的に「フェアトレード」と呼ばれるもの全体に云えることだとも 思うのだけど、現状のフェアトレードは、あまりにも一方的過ぎるということ。 誤解を恐れずにいえば、生産者(途上国)に対してフェアであろうとするならば、 当然、市場(ここでは日本)に対してもフェアでなければならないということ。 市場のニーズをきちんと理解せずに、 「貧しい人たちが一生懸命作りました、買ってください」では、 一回はお情けで買ってくれるかもしれない。 でも、そのあとに継続していけるものがなければ、結果的に彼女たちは、 自分たちの暮らしを、自分たちで支えられなくなる。 それはなにも、途上国のフェアトレードに限ったことでなく「ものづくり」 すべてに置いていえることだと思います。それはもちろん、わたしも同じで、 3年前、彼女たちのロゴ刺繍を自分のカバンに付けようと思ったとき、 色目で見られることを覚悟のうえで、きちんとしたものを作らなきゃダメだな、 と小さな誓いをたてました。 今回、素材自体のハンカチはメーカーさんに、パッケージやリーフレットは プロのデザイナーさんにお願いしたそうで、それもとても大事なこと。 製品にする際は全部を自分たちでやろうとせず、きちんと対価を払い その道のプロの手に委ねる。 いろんな人の手を介すると、その分の支出はありますが、 メーカーさんやデザイナーさんにも何かしらの意識が芽生えるし、 結果的にいいものが作れると思います。 そうやって自分を、必ずしも価値観の同じでない他者に開いていくことは、 言葉で云うほど簡単ではないけれど、それを地道にこつこつとやって、 ひとつのカタチにしたOさんのがんばりに、何より頭が下がります。 「Likha」のこれからが本当に楽しみですし、わたしもこれからへ向けて 力をもらいました。 : さて、昨日はその後、ライターのKさんと合流し、Tが九大の仲間たちとやっている 東北支援のワークショップへ参加させてもらうことに。 ゲストは震災直後から現在に至まで、現地で支援を続ける 「NPO法人IVY」の安達三千代さん。 セミナールームに入った途端、「こんにちは!」と自然な笑顔を見せて下さり、 あぁ、この人好き、と直感的に思いました(笑 何も知らないけど、まとっている空気感が、もう、とてもいい。 「そこにあなたがいるだけで...」とよく云うけど、そんな感じの人。 たぶん、それは安達さんがこれまで、いろんな場面で、 いろんな人に自分を開いてきているからだろうなと思う。 開かなければ、その先には進めないことばかりだっただろうから。 IVYの活動の詳しくはここでは書きませんが、震災から今日で20ヶ月。 原発や放射能関連に比べ、被災地のニュースを耳にすることは少なくなっている。 わたしは、友人がいまも現地で活動を続けていることもあり、 短い時間だったけど被災地に足を運ぶこともできた。 でも、その友人がいなければ被災地と直接つながれたかは、わからない。 一緒に東北へ行こうと誘ってくれたライターKさんの存在もある。 そして、このような場をもってくれたTや九大のお仲間の方々。 みんな、それぞれに頑な日々だけど、 それを、すこしづつ開こうとしている。 たったそれだけのことだけど、そのことが どこか大事なものへとつながっていく気がする夜でした。 * 小池アミイゴさん作「おつかれちゃん」にすてきなメッセージがありましたー。 『2011.11.11』
by cotomono
| 2012-11-11 21:05
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