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同じ

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先週の水曜日、わたしのカバンにロゴ刺繍をしてくださっている
Salt Payatas Foundationのステッチマミーズがフィリピンから来日されたので
会いに行ってきた。刺繍プログラムを受け仕事をしている25人のうち、
今回来日できたのは5人で、全員が30代の子どもをもつお母さん。
(彼女たちがスカベンジャーとして働く巨大なゴミ山があるパヤタス、
また、再定住地カシグラハンの現状についてはこちらを。

わたしは、去年の6月にフェアトレードのイベントでソルトパヤタスの活動を知り、
その場でカバンにロゴ刺繍を付けることを思い立ち、現在に至るわけだけど。
現地の実情や彼女たちの生活を見ずしてはじめてしまったので、心のどこかで
「かわいそうな彼女たちを助けてあげている」という過剰な意識があり、
そのことが、本当の意味で「フェア」であることを遮っているような気がしていた。

でも、実際に彼女たちに会ってみるとそんな意識はどこかへ消えてしまった。
物質的には恵まれていても、どこかいつも疲れている日本人に比べ、
とにかくみんな明るくオープンマインド。
過酷な現実を引き受け、目の前にある「暮らし」を少しでも良いものにしていこうと
努力をするポジティブな姿勢や、自分で働いた糧で子どもを育てているという自信と誇り。
そんな彼女たちの生きる力が、ごく自然な笑顔となって表れているように感じた。

そして彼女たちには共通の夢がある。
それは、自分たちが仕事をし自立することで、自分たちの子どもだけではなく、
親を失いストリートチルドレンとして生きる子どもたちを学校へやり、
そこから生きる希望を見いだすことができるように、社会として支えていきたいという夢。
その話しを聞いたとき、わたしも同じだなと思った。
わたしも自分を生かす糧として日々働き、カバンを作っている。
そして、それを何かしらのかたちで社会に返していけるようになりたいと思っている。
もちろん、彼女たちとわたしとではさまざまなことが違いすぎて、
天秤にかけるように同じということはできないけれど、そう感じることができた。
それは、わたしがこのフェアトレードを続けていくうえで、とても大切なことだから。


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ロゴ刺繍をしてくれているアナベルさん、31歳。
かわいい顔してるけど、こうみえて3人の子どものシングルマザー


ちなみに、上の写真のアナベルさんは「SARISARI SHOP」という雑貨屋さんを営みながら
刺繍の仕事もしているそう。刺繍のデザインのほとんどを彼女が担当しているらしく、
わたしのロゴ刺繍は込み入ってて難しいらしいけど、いつもクオリティの高い仕事を
してくれていて、彼女のもつセンスの良さが生かされている感じ。
そのアナベルさんが刺繍したロゴの入ったピンクの手染めのカバンをプレゼントしたら、
とても喜んでくれて、わたしも本当にうれしかった。
いつか、彼女のお家に遊びにいく約束をしたので、叶う日がくるのを楽しみに、
わたしは、わたしのやるべきことをやっていこうと素直に思えた一日であった。

この出会いを授けてくれたいろんな人に、感謝しよう。
by cotomono | 2010-03-28 01:50
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